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ドイツ輸出ヒット品


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クリスマスの時期になると、毎年上る話題が「ドイツのクリスマスマーケット」だ。
市民にとってクリスマスマーケットは、一年の締めくくりとしてうれしいイベントである。

それよりも、毎年新聞をにぎわしているのが、クリスマスマーケットがビジネスモデルとして輸出されていることだ。

実際にドイツに住んでいると、せわしい12月を口実に毎年同じ内容だからとお足も遠のいてしまう。
まもなく聖夜になるが、今年はクリスマスマーケットを訪問できるかどうか・・・・

2年前寄稿した記事ですが、載せておきます。
ご参考までに。


ドイツの輸出大ヒット商品「クリスマスマーケット」

<記事概要>

フランクフルト国際観光会議社(Frankfurter Tourismus und Congress GmbH)は、ドイツのクリスマスマーケットを世界市場に売り込み成功を収めている。輸出王国ドイツの大ヒット商品となったクリスマスマーケットは、各国の人々に好評である。

ドイツファイナンシャルタイムス23.11.07

<解説>

イギリス・バーミンガムのヴィクトリア広場で開催中(11月15日から12月22日まで)のフランクフルト・クリスマスマーケットは、ドイツソーセージとグリューワイン(暖かいワイン)を求める人々で連日大盛況だ。広場のマーケットには、本場ドイツの飲食店や伝統工芸品を販売する出店が80店ほど所狭しと軒を連ねている。

約4週間の開催中、今年マーケットを訪れる客は250万人以上に上ると推測されている。現在イギリス国内に5つの支店があるFTCGは、クリスマスマーケット開催地がイギリス内20地区にも及ぶ。そのうちバーミンガムのドイツ・クリスマスマーケットは、海外で最大の規模となった。

FTCGは、「本場ドイツのクリスマスマーケットを地元で」という姉妹都市バーミンガム市長の要望で、1997年イギリス市場への導入を試みた。第二次世界大戦の影響が今も尾を引き、「ドイツ人は嫌い」と言い切るイギリス人の間で、ドイツのクリスマスマーケットが受け入れられるかどうかは不明であった。

開催当初、イギリス人達の関心を引いたのはドイツソーセージのみでクリスマスマーケットに全く興味を示さなかった。それが開催10年経った今、マーケットは地元の人々に大評判の「冬の風物詩」として定着した。

イギリスで大好評の理由は、クリスマスマーケットを本場ドイツと同様に設定したこと。木製の出店やアンティーク・メリーゴーランドなど、100%ドイツ製を満喫できるようすべてドイツより取り寄せたこと。イギリスでは公共の場での飲酒が禁じられているが、クリスマスマーケットでは例外となることなどである。人々は、マーケット内のクリスマスパブでワインやビールの立ち飲みを楽しむことが出来る。また、マーケットに集まってきた人々は、地元の商店街へ繰り出し、クリスマス商戦に貢献するという相乗効果を上げた。

さらに近年、ドイツ・クリスマスのトレンド商品は、世界の各国で生産・販売されるようになった。ニュルンベルク市は、伝統的レーブクーヘンやマジパンをアメリカで生産、現地の販路拡張を図るためシカゴに支店を開いた。パイプ人形やくるみ割り人形など木製伝統工芸品で有名な東部ドイツのケムニッツ市は、オハイオ州アクロンでドイツ・クリスマスマーケットを開催、20以上の出店を地元の人々に提供し人気を集めている。

日本では、東京や大阪にドイツ・クリスマスマーケットが導入された。今年も店では、ドイツ・オリジナルパンやソーセージ、ビールやグリューワイン、クリスマス雑貨などが販売され、訪れる客を魅了している。

現在FTCGは、オスロ、トロント、ニューヨークからのフランクフルト・クリスマスマーケットの問い合わせにうれしい悲鳴を上げている。
by foodwatcher | 2009-12-20 20:32 | 仕事