たけしのニッポン人白書・ドイツ撮影後記

25日土曜日の「たけしのニッポン人白書」ご覧になりましたか?

オンエアになったので、ドイツでの撮影について記してみたいと思います。

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画像は、インタビュー直前に撮りました。左はロータリークラブウィッテンからの仲間。
真ん中、シュピールベルク氏、右が娘さんのヨハンナさん。

インタビューを受けて下さったシュピールベルク氏家族は、
昨年日本でも津波にあったドイツ人家族としてメディアで
たくさんとりあげられたと思います。

私がコンタクトをはじめてとったのは、昨年12月末。
ちょうどクリスマスシーズンで、撮影や取材依頼は非常に
難しい時期でした。

クリスマス休暇で自宅を離れていたシュピールベルク氏と
電話連絡できたのが、新年になってからです。

取材依頼は、2度断られてしまいました。

やっぱりという思いでした。というのも、

1.いまだトラウマ治療にかかっていること
(以前、タイであった津波大災害時に被害者を
ケアしていた精神医の元で、このご家族は治療していました)
ドクターのアドバイスもあリ、公共の場にでるのは遠慮します・・・・

2.ドイツ国営放送ZDFの昨年末の番組「Menschen 2011」
出演を最後にして、今回の件については一応終止符をうちたい。
私としては、この気持ち、大変よく理解できました・・・

3.日本のメディアにもたくさん対応したので、辞退したい

というのが理由でした。

それでも、何度かシュピールベルク氏と電話でお話をしているうちに
同氏がとてもお話好きということに気がつきました。

そういえば、彼はラインランド人。
ドイツでラインランドの人といえば、とてもお話好きで有名です。
もちろん心を許せばという条件つきですが・・・・
ちなみにラインライド地方とは、ライン川に沿ったドイツ西部地方を指します。
同家族の居住地デュッセルドルフも、ラインランド地方に属します。

でも、今回は、健康上のこともあり、同家族がインタビューを受けて
下さるように心を動かしていただくまでには、とても困難を極めました。

私は、出来ないことがあったら、それで諦めるのではなく、俄然やる気が出てくる
タイプなので、どうしたらシュピールベルク氏に納得していただき、賛同を得る
事ができるか、延々と考えました。

本来、ドイツ人がノーといえば、本当にノーで、それを覆すことは、いくら長く
ドイツに住んでいて、ドイツ人を良く理解している私とはいえ、超!難関です。

4ページにわたる長い手紙を書きました。
内容は秘密ですが、誠意を持って事実を伝えたことで、
シュピールベルク氏はとても心を動かされ、取材を受けて下さることになりました。

やった!

同氏によれば、私は日本人であっても、文面ではやはりドイツ人感覚だったことが
幸いしたようです。こちらも何があったのかは内緒です。

そして、同氏からは、日本人、日本のために、役に立つことが出来れば、
心からお手伝いしますという返答をいただき、本当に心にグッときました。

話し変わって、昨年あるTV局からの依頼で「ドイツ人は議論好き!」というテーマで
リサーチをしましたが、どうやら私は、ドイツ人の感性にかなり近づいてきたようです。

さて、取材当日。
当時は、大寒波がドイツにも到来してました。

朝早く、取材先のデュッセルドルフに向かいまいた。
最寄の駅まで夫が車で送ってくれる予定・・・・・と思いつつ、車が寒さで動かない!
車庫に入っている夫の車は、いつも問題なく運転できるのに、
その日に限ってバッテリーが空っぽになっていた!

私の車は、家の前に駐車してあるので、夜中マイナス15度以下には耐えられない。
窓ガラスは氷ついて、やはりバッテリーに問題があり、発車できない。。。。
土曜日の早朝、周辺は静かだった中で、私の叫び声「どうしよう、助けて!
ナイン!ナイン!」が響いていました。

何回も挑戦して、やっと私の車が使える状態になりました。
大慌てで、駅に向かい、発車時刻に間に合いホッとしました。
その後、電車が遅れて冷たい風が吹きぬけるプラットホームで
10分以上待つはめに・・・体中が冷え切りました。

シュピールベルク氏ご家族へのインタビューは、
2時間以上にもわたりました。

ご家族が体験したあの日の様子を再現シーンで
放映するということで、大変詳細にわたる質問だったにもかかわらず
皆さん、大変丁寧に対応して下さりました。

インタビュー中、私は涙をポロリ・・・・
ご家族が体験されたことが、メディアの報道を通して
知った内容とは全く異なる迫力で心に浸みてきました。

ディレクターの「典子さん、仕事です」という一言に
涙を必死に抑えて、質問し続けた私です。
涙声になったのは、ひとつの質問だけでしたので
ごめんなさい。

番組では、再現シーンが多く、実際のインタビューシーンは
あまり長くないと聞いていますが、今も忘れられないインタビュー
です。

インタビュー終了後、お礼の手紙をシュピールベルク氏に。
「プロなら、感情を外に出さず、仕事をするべきという声もありますが、
私は涙をこぼしてしまいました・・・・。大変失礼しました」と私。

これに対してシュピールベルク氏からの返答は以下の通りです。
「いいえ、涙をこぼしたことには、かえって人間味を感じました。
人間は、機械ではないのですから・・・・」

原稿執筆やTV番組のコーディネートとして、これまでたくさんの方々に
インタビューをしてきましたが、今回は特に心に残る思い出となりました。
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by foodwatcher | 2012-02-27 21:08 | 仕事