医師不足・ドイツでも深刻です!

8月2日公開のJBP「医者の過労死防げ! ドイツでも深刻な医師不足」をご覧ください。

日本でもこのテーマは多くのメディアで取り上げられているようですが、医師不足解決にはドイツでも非常に複雑な背景があります。

実は私の息子が歯科医を目指してフライブルク大学で勉学中です。
日本では歯医者は充分間に合っているということを聞いていますが、ドイツは不足不足で大変です。

ちょっと親ばかな話になるかもしれません。

そもそもドイツの大学はほとんど国立なので、医学部、薬学部、歯学部、心理学部などは入学制限が行われています。ということは、定員が少ないのです。

その分、教授とのコンタクトも密で、指導も細部にわたっていきわたるというすばらしい面もあります。

その上、一般の学部希望者は、なかには定員制限のある学部もありますが、直接大学に志願すればいいので気軽です。

でも、医学部・歯学部希望者はまず中央学籍配分機関(ZVS)に志願書類を提出します。
ここで、入学定員の20%がアビトゥアの点数、同じく20%が待機している志願者が選定されます。

待機というのは、アビトゥアの成績が思わしくない生徒たちがどうしても医師になりたくて待っている生徒のことです。

1年待つ毎にアビトゥアの点数に何点か加算されます。そして、このZVSからの返事がとても遅く9月に入ってから連絡が来るのです。その後大学による選考で定員の60%が決定されます。

いやはや、昨年の今頃は大変でした。
フライブルク大学の歯学部は最難関の学部で、定員は40名でした。
ちなみにハイデルベルク歯学部は80名、マーブルク歯学部は60名ほどでした。

息子は、フライブルク大学から入学許可を手にした時点で、すでに他の学部〈こちらも定員制限があった物理学部、経営学部などでした〉に入学するつもりだったので、この朗報に家族全員びっくりしたものです。

まるで宝くじに当たったようなものです。
何しろ、フライブルク歯学部に入学したくて10年も待機している方もいるそうですから。

さて、大学がはじまってからがまた大変でした。
全国から生徒が集まり、和気アイアイとはじまったセミナーも、あまりのハードスケジュールに耐えることができず、医学部に変更する学生、他の大学の歯学部に転向する学生が5人ほどでてきました。

医学部も大変でしょうに、歯学部の方がもっと大変とは、ちっとも知りませんでした。ただしこれはフライブルク大学の場合だけのようです。

毎週水曜日には、筆記、口頭試験、土曜日は、自由参加で歯型標本の作製にまた大学研究室に出向く。解剖学は確か朝の7時から講義が週2回あったようです。セミナーの終わるのは、毎日5時ごろと自由時間がない彼が、自分の強い意志でがんばりぬいている様子を見ながら、私も一喜一憂しております。

他の学生は、よく週末に自宅に戻っていたようですが、我が家とフライブルクは特急ICEで1時間半ほどとそれほど遠くないのですが、息子が帰ってくることはまずありません。 母親としてはちょっとつらいです。でもスカイプでよく連絡しあっています。

もともと太ってはいない彼が、先週末すっかりやせて帰ってきました。
やっと夏休み!と思いきや、8月には化学、物理の口頭試験、9月には生物学、そして10月には進級試験に追われるとのことです。

まだまだ先は長いものの、人の命を預かる職業ですから当然といえば当然ですが、こんな大変な思いをしなくとも、企業で成功すれば報酬も医師以上になるはずと、医学部を嫌煙する優秀な学生が多いことも事実です。

こんな思いをして国家試験に合格し、医師や歯科医になっても勤務環境が厳しく、報酬もそれに見合っていないのでは、海外に流出してしまうドイツの若手医師・歯科医の気持ちがよくわかります。

しばらく試験におわれる息子とともに一喜一憂することが続きそうです。
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by foodwatcher | 2010-08-03 19:53 | 仕事