到来!待ち遠しかった新ワインとたまねぎクーヘンの季節


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ドイツ秋の人気者・新ワインとタマネギケーキ
またまたこの季節の到来です。世界最大のワイン祭りが訪れた後の楽しみはこれに限ります。

今ドイツは、秋の真っ最中。人々は、各地で催されるワイン祭りに足繁く通います。ワイン醸造元では、夏の太陽を一杯に受け、身もたわわになった秋ぶどうの収穫の時期となります。そしてワインの仕込みにかかるこの季節にだけに登場する、ワイン名産地の新ワイン(Neuer Wein)とタマネギケーキ(Zwiebelkuchen)をご紹介いたします。

ワイン祭りが盛んなドイツの秋

ドイツでは初夏から秋に向けて、ワイン街道沿いのあちこちの街で、200以上のワイン祭りが開催されます。今度の週末は、どこの街でワイン祭りがあるのかな?と人々はいつも心待ちにしています。9月第1週末に、世界最大のワイン祭りがラインランド・プファルツ州バード・デュルクハイム(Bad Dürkheim)で開催されると、ワインの祭典も最盛期です。 
 
ライン・モーゼル・プファルツそしてフランケン地方などドイツワインの名産地では、ワイン祭りに集まってきた人々が大量のワインを飲み干します。特に天候が良い日に評判がある飲み物は、のどの渇きを潤すために炭酸入りの水で割ってアルコール分を減らしたワインショーレ(Weinschorle)です。こうして今年も大量のワインが消費され、醸造元ではワイン樽を空にすることができます。ワイン祭りは「人々にワインを楽しんでもらうことで、取りたてのぶどうで作る新種ワインの収納スペースを確保する」と言う実益も兼ねているのです。

取れたてぶどうでつくるジュースと新ワイン

ドイツでは9月になるとすっかり冷え込み、秋の到来が間近です。夏時間(3月最終日曜日より10月最終の日曜日まで)で明るく長かった日も、日に日に短くなり、夜の時間が長くなります。寒くて暗い冬が訪れる前のこのシーズンに、人々は屋外での活動を存分に楽しもうと、ワイン祭りに繰り出します。太陽のさんさんと差し込む昼間は、半そででも過ごせ外出も気軽に出来ますが、朝夕は気温が10度くらいに下がり、暖房が必要となります。そして樹木の色が黄色や赤色と変わるこの季節、ワイン醸造所では秋ぶどうの収穫で忙しくなります。

この頃から10月の下旬までが、毎年ドイツ人が待ち望む人気者、スーザー(Süßer・甘い)と呼ばれるぶどうジュースと、ビッツラー(Bitzler・ちくちくする、発酵中のワインを口にした時の舌触り加減)の名でおなじみの新ワインが満喫できる季節です。フェーダーヴァイサー(Federweißer)と呼ばれる新ワインは、白ワインを醸造するプロセスの初期の段階のワインです。もちろん赤ワインへの初期プロセス過程の新ワイン・フェーダーローター(Federroter)もありますが、一番愛飲される代表格は、なんといってもフェーダーヴァイサーです。

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人気第一のフェーダーヴァイサー

フェーダーヴァイサーはドイツ語で「白い羽」のこと。これは新ワインが酵母細胞を含み、白い羽のような色をしていることから名づけられました。一方フェーダーローターは、「赤い羽」のことです。どちらの新ワインも、豊富なビタミンB1とB2 そして乳酸菌を含みます。口当たりがさわやかでどんどん飲めますが、整腸作用があるので飲みすぎには要注意です。また発酵はじめの新ワインはアルコール分が4%ほど、そして発酵が終わる頃には10%にも達するため、おいしさに誘われて大量に飲むと酔ってしまいます。日に日にワインの発酵過程が目に見えてわかり、ワインは生きていると実感できるのも楽しみの一つです。

新ワインは、ワイン製造元を始め、街のマルクトや各地のスーパーでも買えます。またワイン街道をドライブしてみると、いたるところにある「Neuer Wein」の看板が目に飛び込んできます。大きな容器に入ったぶどうジュースや新ワインは、1リットル単位で売られており、リットルあたり2ユーロほどです。購入後の保存で注意する事は、新ワインの入っている容器の栓をしないことです。発酵過程に出るガスのため、密封が出来ません。室温保存は3日ほど可能ですが、発酵が進みどんどん味が変わります。ちなみに冷蔵庫での保管は、最高10日ほどまで可能です。

新ワインの相棒タマネギケーキ

そしてこの新ワインになくてはならない食べ物が、タマネギケーキです。ドイツ語ではツヴィーブルクーヘンですが、このクーヘンとは本来ケーキのこと。ただし甘いケーキと違って、ドイツ版キッシュといったところです。タマネキ、ベーコンに香辛料を加えていため、冷やしたあとパイ生地につめます。そして生クリームあるいはサワークリームと卵を混ぜたものを、パイ生地に流し込んで焼いたものです。

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タマネギケーキの作り方は、地方により様々なレシピーがあります。大人は新ワインのお供に、子供はおやつのかわりにと、世代を超えて満足のできる秋の味覚です。

(日経エコマム寄稿)
              
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by foodwatcher | 2009-09-28 04:25 | 仕事